みづいろ 吉田 悦花
うららかな雲ひきよせし象の鼻
三月や弾力のある薔薇の棘
太陽へとんがつてゐるチューリップ
春愁ひ鳴ると思ふと時計鳴る
親展の文くる今朝のさくらかな
満開の花しろくなり甘くなり
花冷えや携帯電話鳴る刹那
さくらさくら闇より闇へ橋わたし
フルコースの食器真白き四月かな
竹箸の交差のかろし春の潮
かくれんぼ横丁春の火事見舞ひ
矢車の音の明るし神楽坂
鶏の皮かりかり炒め立夏かな
神域の泉羽毛のひとつ浮き
骨片のごとく浴びをり瀧しぶき
みづいろの水着もつとも濡れてをり
とりあへず玉葱ありぬ雨催
ポリエステル一〇〇パーセント水中花
昼寝覚め物干竿の鳴つてゐる
水中花みづにをひれのついてをり
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