煎餅をいぬがかむ音花の雨
4/4 星野立子
(せんべいをいぬがかむおとはなのあめ)
(ほしのたつこ)
桜の咲く頃に降る雨だから「花の雨」。雨といっても、花時ならではの華やかさ、艶やかさを彷彿とさせる。「煎餅をいぬがかむ音」とは、笑いを誘われるような、でもちょっとせつない。
立子は、高浜虚子の次女。父の提唱した花鳥諷詠、客観写生を基本としながら、なにげない日常や自然を細やかな感性で詠み、女性俳人の先駆的な存在となった。
「たんぽぽと小声で言ひてみて一人」「鞦韆に腰かけて読む手紙かな」「さへづりをこぼさじと抱く大樹かな」など。
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