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June 2006

「捨てイヌ・ネコを半減します」

6月はなんと!毎日更新を達成☆ これって、ブログを開始して初めてのことと思います。

ただし、雑事に追われて、コメントに対する個別のご返信はなかなかできず。。。また来月、時間をつくってご返信させていただきたく。引き続きまして、コメントは大歓迎ですし、拝見しておりますので、よろしくお願いいたします。

日日、考えること、思うこと、感じたこと、いろいろあるのですが。昨日のこの記事にも。いずれ文章化します。

捨てイヌ・ネコを半減します。

環境省は29日、年間42万匹(2004年度)に上る、自治体が引き取るイヌ・ネコを、飼いたいと希望する人への譲渡を推進したり、ペット業者に説明義務を負わせて安易な販売を抑制したりして、今後10年間で半減する方針を打ち出した。
 動物愛護管理基本指針の素案に盛り込み、中央環境審議会の部会に提出した。パブリックコメント(意見公募)を経た後、早ければ9月の答申となる見通し。
 素案では、今後10年間の施策の具体的項目として、自治体が不妊去勢措置を助成したり、捨てイヌの情報をデータベース化してインターネット上で公開、希望者が好きな個体を選べることで譲渡を推進するなどとしている。

(共同通信) - 6月29日10時37分更新

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茅の輪中犬とをさまり写真撮る

6/30     柳瀬  愛

     (ちのわなかいぬとおさまりしゃしんとる)

       (やなせあい)

6月の晦日は、夏越の祓(なごしのはらえ)。私は毎年、近くの鳥越神社で「茅の輪」をくぐっている。

茅の輪」くぐりはもちろん、白い紙でつくった人形(ひとがた)の形代(かたしろ)に息を吹きかけ、半年間の穢れを託して川に流したり、お焚き上げしたりすることで、心身の穢れを祓う。

この句は、犬と「茅の輪」をくぐるだけではなく、さらに犬と「写真」にもおさまっている。私も形代に自分や家族の名前だけでなく、愛犬ジョニーの名も記して神社に奉納した。

(わん句カレンダー)

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赤門そば

東大の赤門の真向かいにある蕎麦屋さん。赤門のそばの「赤門そば」。赤レンガ風のビルといい、そのまんまのネーミングですが、すでに創業45年を迎えるそうです。東大の先生や学生さんに守られてきた御用達の蕎麦屋、といってもよいでしょう。

以前、農学部教授の研究室を訪ねて、先生と蕎麦の話で盛り上がったときも、たしか、この「赤門そば」の名が出たように記憶しています。

近くの出版社を訪ねた折、初めてお邪魔して、もり(500円・安い!)を食しました。家族で商われている、江戸っ子気質の蕎麦屋さん、とうかがっていたのですが、同年輩のおやじさんが2人、厨房の内と外にいらっしゃいます。仲良く、のんびり商っておられる雰囲気が伝わります。

注文をとりにみえたとき、さりげなく新聞を手渡してくださったのも、いつものサービスなのでしょう。気さくで、親しみあふれる感じ。めんは、戸隠直送の蕎麦粉を使っていて、冬はなべ焼きうどんもおすすめだとか。地域に馴染んだ、なんとも気負いのない空間。

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ねんごろに飼ふ犬茅の輪くぐりけり

6/29    黒木 繁

    (ねんごろにかういぬちのわくぐりけり)

    (くろきしげる)

茅の輪」(茅草で作られた大きな輪)とは、正月から6月までの半年間の罪や穢(けが)れを祓(はら)う夏越の大祓(おおはらえ)のこと。

ねんごろに飼ふ犬」は、いえそうでなかなかいえないと思う。そのことばどおり、愛情こまやかに、手厚く親身に世話をしていることがよくわかる。

犬を抱いているのか、曳いているのかはわからないが、一緒に8の字を描くように茅の輪」を3度くぐることで無病息災を祈り、残りの半年間を心新たに迎えようとしている。

(わん句カレンダー)

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「わん句にゃん句」締切迫る!(6月末)

「吉田悦花のわん句にゃん句」の締切(6月末)が迫りました!

特に「にゃん句」は第1回ですので、たくさんのご応募、お待ちしております。
http://www.clubalp.net/wanku/index...

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梔子の花(くちなしのはな)

わが家の梔子は八重咲きです。ひと雨ごとにひとつふたつと、純白の花を開きます。

今朝咲きしくちなしの又白きこと  星野立子

(悦花歳時記49)

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夕立のにほひ老犬嗅ぎに出る

6/28    

渡部伸一郎

     (ゆうだちのにおいろうけんかぎにでる)

     (わたなべしんいちろう)

夏の昼下がり、にわかに空が暗くなり、ザーッと雨が降ってきた。猛烈などしゃぶり。それも短時間で止み、再び空が明るんでくると、涼しい風がもたらされ、以前にも増して、心が晴れやかになったような気がする。

散歩に出た「老犬」は、今、上がったばかりの「夕立のにほひ」を嗅ぐように、鼻先を突き出した。またたくまに通りすぎて行った自然現象をいとおしむかのように。

夕立」は、白雨(はくう)ともいう。老犬のときめき放ち青嵐」も同じ作者の句。

(わん句カレンダー)

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ラベンダー

わが家のラベンダー。盛んに穂状の茎を伸ばしていましたが、花が盛りを迎えました。赤みががった薄紫色の小花、豊かな芳香。

風吹いて欲しラベンダー揺れて欲し  西村佐恵

(悦花歳時記48)

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赤犬のアスファルト来る薄暑かな

6/27   増田 守

(あかいぬのあすふぁるとくるはくしょかな)

(ますだまもる)

動くと少し暑さを覚えるくらいの気候を「薄暑」という。直射日光を避けて木陰や片陰、涼風を求める気持ちが兆すようになる。けれども、軽く汗ばむ程度で、不愉快になるほどの暑さではない。

あたりの風景もめきめきと生命感を漂わせ、「アスファルト」を「来る」「赤犬」の姿にも夏の到来を感じる。暑さというものが、まだ心地良く感じられる季節でもある。

薄暑」は時候の季語ではあるが、かすかに汗ばむ季節の、明るく弾むような心理も含んでいるようだ。

(わん句カレンダー)

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浴衣で撮影♪

060623__ 来月発行の「H」誌の特集「下町に恋してる」の撮影のため、今年初めての浴衣姿に。オススメのお店の暖簾の前。カメラの連写に、固まってしまうわたくし。とほほ。

浴衣着て浴衣に似合ふ顔つくる  佐藤友子

(悦花歳時記47)

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十薬や犬をつなげば猫が来て

6/26      岡本 眸

(じゅうやくやいぬをつなげばねこがきて)

(おかもとひとみ)

十薬」が今を盛りと咲いている。

十の薬効があり、十の毒を消すともいわれ、ドクダミとも。その名にふさわしく薬効はさまざま。利尿、緩下作用、血圧調整作用、毛細血管強化作用、消炎作用など、万病に対応するといわれている。

日陰や庭の隅にびっしり群れ咲く様子や抜いたときの強い香りから、あまり感じのよい花とは思われていないようだ。でも、私はこの花が嫌いではない。わが家には、珍しい八重のドクダミもある。真白い小花は潔さが感じられ、愛らしい。

(わん句カレンダー)

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すかし百合

わが家の窓辺では、いま、鉢植の百合が満開です。橙、黄、淡桃など3種類。すかし百合は、花びらの付け根が開き、透けて見えることから付いた名だそうです。いわゆるハイブリッド種で、花はすべて上向きです。遅れてカサブランカも咲くことでしょう。

指先で百合の花びらはじきけり  吉田悦花

(悦花歳時記46)

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ゆつくりと犬の視界に入り夏野

6/25      山高真木子

        (ゆっくりといぬのしかいにいりなつの)

        (やまたかまきこ)

初めて会う犬を驚かせないように注意しながら、「ゆっくりと犬の視界に入」った。作者は、犬好きなのはもちろんだが、犬のことをよく理解しているのだろう。

犬の扱いになれない人の場合、いきなりその頭上に手を伸ばして、逆に驚かせてしまったり、警戒心を持たせてしまったりするからだ。

やさしく声をかけながら、「犬の視界に入」った相手に、尾を振って喜ぶ犬の姿が目に浮かぶよう。

ちなみに私は、初めての犬にも、やたらとにおいを嗅がれてしまうタイプ。

(わん句カレンダー)

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浴室でサトイモ栽培

以前、浴室でサトイモ栽培をしていることをご報告しましたが、あっという間に、結構スゴイことになっております。めきめき生長して、葉を拡げ、すでにジャングル化へ。

サトイモの葉裏を眺めながら、竹墨入りの湯船に浸かるのが最近の楽しみ。。。

(悦花歳時記45)

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遠雷やふるへる小犬だきしめし

6/24      佐野敬子

     (えんらいやふるえるこいぬだきしめし)

     (さのけいこ)

とくに音に敏感な犬は、雷や花火の音が苦手である場合が多い。

われわれの耳には、とうてい届かない、感受することができない「遠雷」も、どこかでしただけで、たちまち落ち着きをなくし、狂ったように吠え出す犬もいる。どうしたのかしらと思っていると、そのうちゴロゴロと激しい雷鳴とともに夕立が降り始めて、なるほどと納得する。

雷に怯え、気の毒なまでに体をふるわせる「小犬」をひたすら「だきしめ」る作者。「小犬」との濃密な時間を感じさせる。(写真は実家に庭に咲く紫陽花)

(わん句カレンダー)

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新じゃが

いつも旬の野菜を送ってくださる有機農業家Sさんより、この夏も新じゃがをたくさんいただきました。ありがとうございます。

さっそくよく洗い、チンして、北海道バターを塗っていただきました。もちろん、皮ごと。ほくほく♪

茹であげし新じやが小粒バタ添へむ  

                             岩田ふみ子

(悦花歳時記44)

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死期せまる犬招くかに梅雨の月

6/23      神田とみ子

     (しきせまるいぬまぬくかにつゆのつき)

     (かんだとみこ)

梅雨の時期、降りつづく雨で、厚い雲の間に隠れていた月が、珍しく姿を現した。久しぶりに目にする月に、はっとした。といっても、その月の光は弱々しく、不思議な静けさに包まれている。どこか寂しげでもある。

「死期せまる犬」を「招くか」のように、愛犬を照らし出している。「どうぞ私のもとから連れ去ってしまわれませんように……」。祈るような気持ちで愛犬を見守る作者。

冬の月でも、春の月でも、夏の月でもなく、「梅雨の月」こそが似つかわしい。

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擬宝珠の花

以前、ご紹介したわが家のギボウシ3兄弟の1つが花開きました。生長著しく、大きな葉の間より、1メートルを超える太い花茎を突き出し、淡い紫の花を咲かせています。とても涼しげ。

うつむき加減に咲くので、一般に控えめで清楚な花といわれていますが、わが家の擬宝珠は、実に堂々としているなあ。

ひき臼のいま飛石や花擬宝珠  野村喜舟

(悦花歳時記43)

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百合を手にわが家の犬をしたがへし

6/22      瀧 春一

(ゆりをてにわがやのいぬをしたがえし)

(たきしゅんいち)

美しい女性をたとえて、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」という。山百合、姫百合、鬼百合、白百合、鹿の子百合、鉄砲百合、黒百合、車百合など、「百合」は夏の季語。

散歩の途中、野で手折った「百合を手に」して、犬とともに歩いている。「犬をしたがへ」て、しかも「わが家の」と、わざわざ述べているところに、犬への親しみや連帯感が表現されている。いきいきとした庶民感覚を大切にした作者らしい。

どくだみを踏めば怒りの香を発す」も。

(わん句カレンダー)

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セパードに曳かれ荒息青芝に

6/21      沖田佐久子

(せぱーどにひかれあらいきあおしばに)

(おきたさくこ)

「セパード」とは、ジャーマン・シェパード・ドッグのこと。知性豊かな頑健な大型犬で、ピンと大きく立った耳と太くたくましい尾を持ち、オオカミによく似た容貌をしている。

警察犬、軍用犬、盲導犬、災害救助犬、麻薬探知犬、地雷捜索犬、番犬、牧畜犬、そして家庭犬として愛されてきた。

大きく力の強い犬種なので、基本的なしつけが必要不可欠。この「セパード」は、いまトレーニング中なのだろうか。一面に広がる青い芝生に、艶やかな黒毛が美しい。

(わん句カレンダー)

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青梅

「つゆ」は「梅雨」と書きますが、これは梅の実の収穫時期と重なることに由来するそうです。

弟から「青梅」をもらいました。初々しい香りを大切に、さっそく梅酒に漬け込みました。

青梅の水に浮くときひかりをり  吉田悦花

(悦花歳時記42)

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木下闇犬の墓へと犬の来し

6/20   曽根新五郎

(こしたやみいぬのはかへといぬのきし)

(そねしんごろう)

夏の明るい日差しを避けるように、大きな木の蔭に入ると暗く感じる。夏木立が鬱蒼と繁った「木下闇」は、昼でもほの暗い。異空間に迷い込んだ気がする。下闇、青葉闇とも。

日射しが遮られ、空気がひんやりとして、土が湿り気を帯び、苔が生えていたり。そのようなところに墓、しかも「犬の墓」があったとしても不思議ではない。盛土の上に、犬の名が記された木片でも立てられていたのだろうか。

草葉の陰に消え犬と現世の犬。その対比が、せつなく迫る。

(わん句カレンダー)

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ブログのデザインを一新♪

いつも「俳句ファクトリー」をご覧くださり、ありがとうございます。もう1つのブログ「e‐ファクトリー」も粛々と日日更新しております。デザインも一新いたしました☆

ただいま「動物病院Q&A」を連載中です。
http://etsuk.cocolog-nifty.com/

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老犬の眠りの深し梅雨じめり

6/19       篠田恭子

(ろうけんのねむりのふかしつゆじめり)

(しのだきょうこ)

昭和から平成に変わった年に我が家にやって来た愛犬は、平成とともに齢を重ね、私たち家族と歩んできた。

だれにも相談できないような悩みを抱えて、私が深夜帰宅したときも、ずっと待っていてくれた。ジョニーの顔を見ると、心がすうーっと軽くなった。

多くの人にとって、1年で最も憂鬱な季節である梅雨。静かに眠っていることが多くなった「老犬」のかたわらで、その幸せそうな寝顔を眺めていると、いつしか心のなかで語りかけている自分に気づいた。

(わん句カレンダー)

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犬掻で笑はする一面のあり

6/18      中原道夫

(いぬかきでわらわするいちめんのあり)

     (なかはらみちお)

大げさに腕を動かして、ばちゃばちゃと「犬掻き」をしているのは、作者の友人だろうか。そんな人を笑わせる「一面」があるという。だからなんなんだ、とツッコミたくなる。

でも、同じ作者の「白魚のさかなたること略しけり」も、「略しけり」が、あたりまえだと思う寸前に「白魚」を鮮やかに言い得て、印象鮮明な句となった。

わかりやすいから、すぐ覚えてしまう。覚えやすい句すなわち佳句、あるいは名句の条件とすると、それを満たしているといえるかも。

(わん句カレンダー)

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犬の背に足軽くおく端居かな

6/17      

相島虚吼

(いぬのせにあしかるくおくはしいかな)

(あいじまきょこう)

「端居」は、涼をとるため縁先や濡縁に座すこと。

庭の草花を愛でてくつろいでいると、犬が足もとに寄り添ってきた。やさしく愛撫するように、犬の「背に」軽く足をおいた。なにげないしぐさによって、ものいわぬ犬と作者とのあたたかな交流と穏やかな日常が伝わる。

虚吼の本名は、勘次郎。大阪毎日新聞社で編集主任などを歴任後、衆議院議員に当選。のちに、昭和日日新聞を創刊・主宰。俳句は、日清戦争で同じ従軍記者であった正岡子規と高浜虚子に師事した。

(わん句カレンダー)

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梅雨晴間

穏やかな休日のひとときをお過ごしのことと思います。わたくしは、相変わらず忙しい1日となりそうです。

ほんとうは、なぁ~んにも考えず、わんこといちゃいちゃしていたいのですけれどねえ~~

悦花百花2006」更新されました☆
http://homepage3.nifty.com/e-factor..

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遠雷に耳欹てり川上犬

6/16      渡辺桐子

(えんらいにみみそばだてりかわかみけん)

(わたなべきりこ)

山に囲まれた川上村は、長野県の天然記念物に指定されている「川上犬」のふるさと。柴犬、甲斐犬、四国犬、紀州犬、秋田犬など、国の天然記念物に指定されている日本犬はいるが、「川上犬」は、全国でも唯一、村の名がついた犬。

猟師によって飼い慣らされたヤマイヌ(ニホンオオカミ)の血をひくといい伝えられている。村内に数十頭、全国でも300頭前後しかいないという貴重な犬。

野趣あふれるだけに、「遠雷」に怯える様子も見せず、じっと耳を欹てている。

(わん句カレンダー)

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口明て蠅を追ふ也門の犬

6/15      小林一茶

(くちあけてはえをおうなりかどのいぬ)

(こばやしいっさ)

「蠅」の句といえば、「やれ打つな蠅が手をすり足をする」が有名。一茶には、「群蠅を口で追けり門の犬」という句もある。

あたりをぶんぶん飛び回る「蠅」。うるさいは五月蠅いと書くほど、どうにもわずらわしい。いつまでもつきまとう「蠅」を、口を開けてぱくっとくわえようとしている犬。

家蠅、青蠅、金蠅、銀蠅、馬蠅、蠅叩(はえたたき)……蠅捕リボン(天井などから吊り下げるネバネバの薬液をつけたテープ)は、子供の頃、魚屋で見かけた。これも夏の季語。

(わん句カレンダー)

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ゆつくりと猫よぎりけり昼寝の犬

6/14     杉本 貞
(ゆっくりとねこよぎりけりひるねのいぬ)

(すぎもとてい)

「昼寝」をしている犬の前を「ゆっくりと猫」が通り過ぎた。ただそれだけだが、犬と猫のそれぞれの表情が浮かび上がる。

そういえば、家族総出でつくったログハウス風の犬小屋は、風通しがよいようにと、高床式とまではいかないが少し地面から離して設置した。

すると、その小屋の下で猫が仔猫を産んだことがあった。だいぶ大きく育つまで、犬小屋の主も、私たちも気づかなかった。『番犬』のもとで堂々と子育てをした親猫のたくましさ、大胆不敵さに驚いた。

(わん句カレンダー)

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祭のあと

060611__2 例年、梅雨入りの時期に行われる「鳥越まつり」。今年は、比較的天候にも恵まれました。とくに土曜日は晴天となり、たくさんの人出で盛り上がりました。

といっても、わたくしはお仕事で、朝(祭の準備)と夜(祭が終わったあと)しか現地にいなかったのですが。屋台の五平餅とサツマイモスティックは、しっかりゲット。

熱気にあふれた祭も終わり、また日常の静けさが戻りました。

神域の明るすぎたる緑の夜  吉田悦花

(悦花歳時記41)

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梅雨湿り犬は飯食ふことに飽き

6/13  長谷川かな女

(つゆじめりいぬはめしくうことにあき)

(はせがわかなじょ)

梅雨(つゆ)は、梅の実が熟す頃に降ることから「梅雨」(ばいう)、または長雨のため、黴(かび)が生えやすいことから黴雨(ばいう)に由来するのだとか。

走り梅雨、梅雨晴間、長梅雨、梅雨寒、梅雨冷、送り梅雨、戻り梅雨、青梅雨、荒梅雨、「梅雨湿り」など、この季節の表現の豊かさに、雨季を楽しむ余裕すら感じられる。

といっても、降り続く雨に大好きな散歩に出ることもままならない犬は、何をしても退屈で、ついに「飯食ふことに」も「飽き」てしまったのか。

(わん句カレンダー)

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『角川俳句大歳時記』(全五巻)刊行スタート♪

このほど、『角川俳句大歳時記』の刊行が始まりました。5月の夏の巻に続いて、7月、9月、11月、12月と続くそうです。

    吉田悦花の句

    一杯の水に底あり麦の秋

も載っていますよ、と版元の編集者の方から教えていただきました。

わたくしはまだ、ゆっくり拝見できないでいるのですが、みなさまも一度、書店などで手にとってご覧になってくださいませ。

http://www.kadokawagakugei.com/sp/s..

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柿若葉足ひきずりし犬となり

6/12  太田一貴

(かきわかばあしひきずりしいぬとなり)

(おおたかずたか)

どうして「足ひきずりし犬とな」ってしまったのか? 理由はわからない。はしゃぎ過ぎて、足を挫いてしまったのか、足の裏にトゲでも刺さってしまったのかしら。いずれにしても、なにか異変が起こったに違いない。痛々しいかぎり。

「柿若葉」の楕円形の葉は、つやつやとした光沢にあふれ、見るからに若々しく柔らかそう。その内に力強さも秘めている感じがする。

何かの拍子に「足」をひきずるようになった犬も、しばらくすると回復して、また元気に飛び跳ねることができるようになってほしい、そう願っている。

(わん句カレンダー)

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梅雨の犬呼ぶに口笛もう鳴らず

6/11    

安住 敦

(つゆのいぬよぶにくちぶえもうならず)

(あずみあつし)

今日は「入梅(にゅうばい)」。入梅とは梅雨の季節に入ること、梅雨入り。でも、これはあくまで暦の上のことで、南北に長い日本では、実際の梅雨入りは、沖縄から東北地方まで約1か月の幅がある。

梅雨」に入っても、1週間ほど好天が続くことを梅雨の中休みという。

雨にけぶったような犬を「呼ぶ」ため、「口笛」を吹こうとしたところ、うまく鳴らないことに気づいた。「もう鳴らず」に、犬とのこれまでの歳月と作者のせつない想いも暗示されている気がする。

(わん句カレンダー)

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まだまだ咲いてくれています♪

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夏草に飛び込みし犬現れず

6/10     内藤吐天

(なつくさにとびこみしいぬあらわれず)

(ないとうとてん)

雪の原犬沈没し躍り出づ  川端茅舎」の夏版のような句。躍動する犬の姿をイメージさせる。

岐阜県に生まれ、俳句誌「早蕨」を主宰した吐天は、名城大学教授もつとめた。1976年没。俳句は岡山の旧制六高時代、志田素琴(しだそきん)に師事。同級生の内田百閒や土居蹄花とともに俳句会を結成。

新傾向俳句」を命名し、「二句一章論」を提唱、さらに「季語」という言葉を最初に用いた俳人として知られる大須賀乙字(おおすがおつじ)の数少ない門弟の1人。

(わん句カレンダー)

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老犬の三半規管捩り花

6/9      大谷長道

(ろうけんのさんはんきかんねじりばな)

(おおたにながみち)

内耳にある3つの半環状の管を「三半規管」といい、平衡感覚をつかさどる。これが加齢とともに異状を呈し、脳や神経の病気になる場合もある。三半規管」を患った「老犬」は、常に車酔いのような状態になって、まっすぐ歩けなくなってしまうという。

捩り花」は、捩花、文字摺草(もじずり)ともいう。日当たりのよい草地などに、長さ15センチくらいの花茎を伸ばし、薄紅色の小さな花をらせん状につける。捩れて見える繊細な花に、「老犬」の姿が重なる。

(わん句カレンダー)

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みじか夜を眠らでもるや翁丸

6/8      与謝蕪村

(みじかよをねむらでもるやおきなまろ)

(よさぶそん)

『枕草子』第7段「うへにさぶらふ御猫」に登場する宮中で飼われていた「翁丸」という犬は、五位に任じられ大切に扱われていた「命婦(みょうぶ)のおとど」という猫に噛みつこうとして、一条天皇に見とがめられ、外に追われて蔵人にボコボコにされる

そんな「翁丸」を不憫に思って蕪村は詠んだのであろうか。平安貴族に愛玩され、珍重された猫に比べ、早くから人々と生活をともにしていた犬はより身近な存在で、それだけに扱いもぞんざいであったようだ。

(わん句カレンダー)

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鳥越まつり

今年もいよいよ「鳥越まつり」が近づいてまいりました。6月9日(金)~11日(日)、鳥越神社を中心に繰り広げられます。11日は神輿渡御。宮出し6:30、宮入21:00。鳥越の夜まつり(宮入道中)19:00から。町内も祭の準備が着々と進んで、祭への気合も高まってきている気がします。

むんむんと町が動いて祭かな 鳥居みさを

(悦花歳時記40)

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犬掻きて大抜穴の網戸かな

6/7    天野幸光

(いぬかきておおぬけあなのあみどかな)

(あまのゆきみつ)

「網戸」越しに家族の団らんを眺めているうち、その輪に加わりたい一心で「網戸」を「掻き」むしる犬。そのうち、破れた穴は犬が通り抜けられるほど大きくなってしまったのだろう。

「網戸」や簾(すだれ)、暖簾(のれん)、葭戸(よしど)葦簀(よしず)など、湿気の多い日本の夏を少しでも涼しく過ごすための工夫が随所に感じられる。

冷房とは異なり、すべてを完全に遮断するのではなく、日常が外界にゆるやかに開かれていることに、自然と涼味が感じられる。

(わん句カレンダー)

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「佐賀のがばいばあちゃん」2

ロードショー公開の直前の点々句会(芭蕉庵)で、主演の吉行和子さんのお目にかかりました。

「実際のがばいばあちゃんは、私より若いのよ~」
とおっしゃっていましたが、とても素敵な「おばあちゃん」でした(映画では58歳の想定だそうです)。

孫          「腹へったぁーー」
がばいばあちゃん「気のせいぃ」(爆)

試験を前に歴史の勉強をしている孫に対して

がばいばあちゃん「勉強せんでもよかっ!」
孫          「??」
がばいばあちゃん「過去にはこだわりませんといっとけ~~」(またまた爆)

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洋犬を連れし日傘の橋をゆく

6/6    片山正治

(ようけんをつれしひがさのはしをゆく)

(かたやませいじ)

今年も「日傘」が活躍する季節になった。

「洋犬」「日傘」「橋」とくると、「日傘の英吉利(イギリス)婦人と洋犬」というタイトルの絵画を観るようだ。「洋犬」も「日傘」の婦人も優雅な物腰。

最近は、チワワ、ミニチュア・ダックス、コーギーなどの小型犬をよく見かける。ゴールデン・レトリーバー、シベリアン・ハスキー、ダルメシアンなどの大型犬は何処へといった感がある。

洋犬全盛の中、日本には日本犬がいるのを忘れてはいないか?と時々思ってしまう。

(わん句カレンダー)

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「佐賀のがばいばあちゃん」

先週、窓烏さんこと吉行和子さん主演映画「佐賀のがばいばあちゃん」の試写会に、俳句のお仲間5人でうかがいました。

「がばい」とは、佐賀弁で「すごい」の意。あたたかな気持ちに満たされて、スクリーンを観ながらずっと泣き笑いでした。ただいま公開中。オススメです。

吉行さんは「時間を見つけては刺激とパワーを求めて国内外に旅行するのが楽しみ」だとか。

わたくしも、10年ぶりに韓国を旅してまいりました。薬膳感覚の韓国料理とアカスリ体験で、心身ともに磨かれた(?)ような気が。

そういえば、先月は、8回の句会に参加。わたくしとしては画期的なことです♪

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かくれんぼついでに昼寝する子犬

6/5  金澤ひろあき

       (かくれんぼついでにひるねするこいぬ)

  (かなざわひろあき)

「かくれんぼ」は、最もポピュラーな子供の遊びだった。

じゃんけんに負けてになった子が目をふさいでいる間に子供たちが隠れ、「もお~い~かい」「まあ~だだよ」「もお~い~かい」「もお~いい~よ」。目を開いて隠れた子を見つけ出すと、「みい~つけた~」と鬼が叫ぶ。

鬼をしていて、誰も見つからないまま日が暮れてしまったり、逆に隠れていて、そのままうとうとしてしまったこともあった。眠る「子犬」の姿に、そんな子供の頃を重ねているのだろう。

(わん句カレンダー)

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犬川で今日もくらしつちぎれ虹

6/4  加藤郁乎

(いぬかわできょうもくらしつちぎれにじ)

(かとういくや)

朝虹、夕虹、虹の帯、虹の梁、虹の橋、白虹、二重虹、片虹、虹晴など、虹は夏の季語だが、「ちぎれ虹」というのは初めて。

京都府長岡京市や山形県に「犬川」という川が実在し、曲亭馬琴の『南総里見八犬伝』には「犬川」荘助という義の玉を持つ犬士が登場する。どこか人を煙に巻くような郁乎の俳句世界。

『後方見聞録』を読むと、稲垣足穂、土方巽、澁澤龍彦、池田満寿夫、白石かずこ、西脇順三郎、松山俊太郎、田村隆一、笠井叡、高柳重信など、交友の広さに驚く。

(わん句カレンダー)

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ひかり 10句

           吉田 悦花

紫雲英田やボタンひとつをはづしをり 

   反戦のくちびるよ蒲公英の絮

   従軍記者の声に時間差さくら冷え

   初夏のシマウマの縞はちきれさう

   らいてうの生涯着物青あらし

    KIOSKの夕刊見出し梅雨の月

   にんげんに遠く朝露ひかりをり

   秋蝉の木に風よ父母の家

   ゆつくりと車椅子入る祭の輪

   どんど火の夜空の向う露西亜かな

二〇代で俳句と出逢ってから、早いもので十年が過ぎた。

数年前、編集・ペンの会「仮面の会」で知り合った漫画家の内田玉男さんに「俳句やっているんです」とお話したところ、「杜の会」の句会報を送ってくださるようになった。

高校の同級生や早稲田大学の漫画研究会(漫研)のみなさんと、毎月お酒を呑みながらの句会とうかがって、気負いのない集まりのような気がした。

参加させていただいて、驚いた。みなさん、真剣に遊んでいるのだ。いずれの句も、生活感・人生観が投影され、押しつけがましくはないが、そこには、はっきりとした「主張」がある。

ふらふらと短詩世界に浮遊していたわたくしは、「地に足のついた俳句」を考えるきっかけになった気がする。奇をてらうことなく、愚直でもよいから、自分の生活を丁寧に積み上げていきたい。そこから何か、新しいものが見えるかもしれない。

食いしん坊なので、句会のときに出される珍しいお酒の数々、玉男さんお手製の佃煮やきくゑさんの漬物など美味しい肴も、毎月愉しみに参加させていただいている。

(初出 2003年『杜の会句集』)

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『どつどどどどう』5

二〇〇一年九月一一日、ニューヨークで起こった同時多発テロに、たまたま居合わせた。テロを詠んだ一連の句より。

湧きあがるテロの噴煙緋のカンナ 

火を噴いてビルが崩るる日の盛り

行く夏をマンハッタンが燃えてゐる

テロのような時事を詠むことは、俳句ではかなり難しいこととされている。短い詩形なので、時事の説明や解説のようになって、無残にも失敗してしまう場合が多いからだ。

しかし、時事を詠むことは、俳句の言葉を時代と合わせるためにも、俳人にとって必要な感覚、姿勢だと思う。そこに一平さんは挑んだ。直面したものとして、詠まざるをえなくなったといってもよい。

大島を離れ、東京を飛び立ち、中国、韓国、ニューヨークへ。歩き回り、「どつどどどどう」と時代の風に絶えず触れ続けることで、一平さんは、俳句の言葉の根っこを鍛え続けているのだと思う。

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遠雷や信じきつたる犬の腹

6/3    平井 浩

(えんらいやしんじきったるいぬのはら)

(ひらいひろし)

昼までに気温がどんどん上昇したかと思うと、午後から急にあたりが暗くなり、雷が鳴り響いた。ぽつぽつ降り出したと思ったら激しい雨音に包まれた。

人間にはほとんど聞こえないような「遠雷」が鳴っただけでも、恐怖心から激しく吠えるなど大騒ぎになる犬は多い。花火の音にも驚いてパニックに陥ったりする。

でも、作者の愛犬は、雷が鳴ろうと落ち着いている。「信じきつたる犬の腹」から、作者の傍らで安心しきっておなかをさらしている様子がうかがえる。

(わん句カレンダー)

Photo_1

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『どつどどどどう』4

句集には、「豆の木」で二〇句競作として発表された、忘れがたい佳句が随所に見られる。なかでも、「雛流る」の句は、説明的のようでいて、抜群に目が効いている。面白くなる一歩手前で踏みとどまっているところがいい感じ。

  頭を石にあてて向き替え雛流る

  

    川曲がるあたりもつとも囀れる

  

    お涅槃の皿に渦巻くマヨネーズ

  

    マネキンの髪の銀色夏兆す

  金魚売り影を揺らして起ちあがる

「物に即し客観写生を心がけようとしているつもりなのだろうが、実際は物を見る常識的な主観の域を出ていない」「全体的に漫然と描写していて、対象の本質に届いていない」という厳しい指摘がある一方、「いい感じの気持ちのゆれ」「古典的ユーモア」「滋味がある」「さりげない詩情」「読めば読むほど味わいが出てくる」「句の芯に体温を感じる」「具象の力」「あっさりした作風」「手練れ」と圧倒的な支持を受け、一九九八年二〇句競作豆の木賞に輝いた。

ここに挙げた選評の抜粋からでも、その俳句の魅力は十分語り尽くされている気がする。

しかし、一平さんは、このことに安住しなかった。東北人特有の粘り強さ、勤勉さであろうか、さらに高みを目指してチャレンジを惜しまなかった。

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緑陰やリラと呼ばれて行ける犬

6/2    中村汀女

(りょくいんやりらとよばれていけるいぬ)

(なかむらていじょ)

「リラ」は、今でもよく聞かれる犬の名。ライラックのフランス名(lilas)、あるいは、ギリシャ神話に出てくるオルフェウスの竪琴の、星座の琴座(リラ・lyra)に由来するのだろうか。

名前には隠された意味を持つメタファーがあるというが、愛らしく可憐で、しかも存在感のあるものとして「リラ」と名付けられたのかもしれない。

汀女は、昭和64年に88歳で他界。本名、破魔子(はまこ)。星野立子、橋本多佳子、三橋鷹女とともに、女流俳人4Tと謳われた。

(わん句カレンダー)

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『どつどどどどう』3

「炎環」の仲間と一平さんのご案内で、一平さんの故郷、宮城県気仙沼市大島を訪ねたことがある。

船に群がるように飛翔するカモメたちと気仙沼湾を渡ると、そこが大島であった。一平さんは、ご自分についてあまり多くを語らないが、お父さまは、地元で俳句大会も主催されている俳人として知られる方であった。そのときの句会より。

  箱眼鏡祖父の噛み痕残りをり

「正月といえば歌留多とりをするのが常だった。記憶力が良いと、周囲を驚かせたらしい」と一平さんはいう。私は、家族や島のみなさんの期待を一心に受けて上京する学生服姿の一平少年を私は想像する。

樟脳舟しやうなう尽きてしまひけり

樟脳舟(しょうのうぶね)は、夏祭りの屋台などで売られていたセルロイド製の玩具。後部に樟脳を挟むところがあって、洗面器に浮かべて走らせるのだという。「しやうなう」のひらがな表記が、「しようがない」みたいで、どこか切ない。思いつめたように、洗面器の舟を見つめる一平少年の姿が浮かぶ。

そういえば、一平さんは、生真面目なところがある。いつも穏やかだが、ふと見るとその目は笑っておらず、真剣そのもので、「巨人の星」の星飛雄馬みたいに、瞳の中に炎が静かに燃えていたりする。俳句に対する取り組みは真摯そのものだ。「一平さんは、俳句に賭けている」と実感する。

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大江戸や犬もありつく初鰹

6/1     小林一茶

(おおえどやいぬもありつくはつがつお)

(こばやしいっさ)

「目には青葉山ほととぎす初鰹」(季語三つ!)という、江戸中期の俳人・山口素堂の句や「女房を質に入れても初鰹」という川柳でも知られるように、昔から日本人は「初鰹」が大好き。

夏から秋にかけて、脂ののった戻り鰹も美味しいが、やはり房州沖を北上する初夏の「初鰹」に限るという御仁も多い。初物を珍重した江戸っ子は、「初鰹」を食すと長生きできるともてはやした。

思いがけないご馳走に「ありつ」いた犬。「大江戸や」という粋な響きも心地よい。

(わん句カレンダー)

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『どつどどどどう』2

私が、一平さんにお会いしたのは、俳句を始めて間もなく、初めて吟行に参加したときである。

「休日に句会に出るときは、子供も連れて行くようにいわれているから」と小学生のお嬢さんを連れてみえていた。毎日のように句会に出席して修練されている「猛者俳人」とは、そのときは知るよしもなかったが、「えつかちゃん」と新人をあた

たかく迎えてくださったことが印象に残っている。

以来、その印象は変わらない。考えてみれば、不思議ではある。一平さんとはさまざまな句会や吟行にご一緒してきたが、若い句友に混じっての句会でも、ベテランだからといってことさら気負うでも威張るでもない。

どんなときも気どらず、淡々とされている。クマさんのように大きな身体を心なしか丸めて、寡黙にノートにサインペンを走らせ、一心に句を詠む朴訥な横顔が浮かぶ。

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