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巴町砂場

ビルが建ち並ぶオフィス街のビル一階。店先に植え込み。伝統とモダニズムのみごとに融合した、落ち着いた店内。すみずみまで清潔感漂う、すがすがしい空間を醸し出しています。

三五〇年の歴史を誇る江戸蕎麦の老舗ながら、女将さんの応対は、明るくアットホーム。どんなに忙しくても、心配りの行き届いた応対が評判で、常連客が多いのもうなずけます。

せいろは、蕎麦の実を石臼で挽いたとき最初に出る一番粉を使って、品のある白さに仕上げてあります。細く、透きとおるようなつや、コシと弾力、ほのかな甘みがあり、のど越しも良い。

小型の黒塗り蒸籠にすがたよく盛られ、量は少なめ。つゆは、やや甘口ですが、すっきりとして口当たり。

3代目が考案した「趣味のとろそば」は、常連客の注文が最も多く、味も祈り紙つき。千葉の農家に依託栽培している大和芋を鉢で摺りおろし、甘・辛つゆで溶いたとろろのつゆで蕎麦を食します。つゆの中には卵の黄味が隠れています。

細くてコシのある蕎麦に、なめらかなとろろがつるりとからみ、蕎麦の上の海苔と山芋の香りとともに絶品。「とろろそば」は、巴町砂場のとろそばを嚆矢とするというだけあって、とても端正な味わい。

薬味は、千住産の葱と本ワサビ。せいろのつゆは猪口に、「趣味のとろそば」はのつゆは黒塗りの椀にたっぷり入っている。蒸籠は、大きな竹を真二つに割って横にしたようなかたち。酒の菊正宗は、ひょうたん型の徳利で。注ぐときに、トクトクトクと音がするのが心地よい。

やや小振りの朱塗り角型の湯桶。蕎麦湯を加えたつゆは、鰹だしがよく効いています。

「熱燗を頼んだら、枝豆の突き出し、そのまま黙って飲んでいたら、芽かぶ酢と蕎麦味噌、さらにお代わりをしたら、イカと里芋の煮つけをさっと出してくれた」とは酒飲みの方の感激の声です。客層は、背広姿の中高年からОLなど幅広い。江戸蕎麦の見本のような店であり、何度でも通いたくなる店といえるでしょう。

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