ほんたうの自分
句集『漂白の歌』の序で、草堂さんは次のように述べている。
「旅に出ると市井の雑事に紛れてゐたほんたうの心が甦り、かへつて憂鬱になることが多い。(中略)
私が旅に出るのは、愉しいからではなく、ほんたうの自分に会ひたいからである。ほんたうに生きるための糧を得たいからである。
明日への希望を見出すために、私は旅をつづける」
草堂という人は、自分の弱さや孤独から目をそらさなかった、と思う。
その句は、自然に一歩もひかず、凝視し、人間や自然を詠むといったことを超えて、より大きな時空で、生命の根源的なものを追求していたような気がする。
草堂のことを何も知らなかった私。だが、いま、草堂の俳句熱がじわじわと侵食してくる。
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