わたしの羽音 ②
鳥といえば。
私は子どもの頃、セキセイインコを飼っていた。はじまりは、突然 家に飛び込んできたグリーンのクックちゃん。クックちゃんのお婿さんにとブルーのインコをペットショップで購入した。
気の強い年上女房のクックちゃんに、最初はたじたじの様子だったが、そのうちクックちゃんが卵を産んだ。無事、雛が孵ると、私は、雛の餌やりに明け暮れた。我が家からたくさんの小鳥が巣立っていった。
さらに年月は流れ、十代後半の頃。
自宅の庭にあった鳥のエサ台には、スズメ、メジロ、ヒヨドリ、オナガ、ヤマバトなど、さまざまな野鳥がひっきりなしにやってきてはエサを啄んでいた。
ある日、庭石の上にじっと佇む鳥を見つけた。ヒヨドリほどの大きさだが、赤茶色の姿は明らかに違う。
野鳥図鑑で調べたところ、渡り鳥であることがわかった。途中から小雨が降ってきたが、その鳥は微動だにしない。私は、息をひそめて、珍しい来訪者を見守っていた。
自分がまだなにものかわからないまま、どこか鋭敏すぎる神経をもてあましながら、青空に飛翔する羽音にひたすら耳を傾けている私が、そこにはいた。
冬青空わたしの羽音ありにけり 吉田悦花
(『二十世紀名句手帖 8 「生活」編 旅と人生の嬉遊曲』齋藤愼爾編 所収句)
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